外観は黒で統一。焼杉がアクセントに
今回紹介する住まいのポイントの一つが、暮らしやすいシンプルさを追求している点です。その特徴を最も感じられるのが、つや消しのガルバリウム鋼板の小波板を張り、黒で統一した外観デザインと言えるでしょう。「倉庫のようにしたい」とのお客様のご要望をカタチにしたもので、落ち着いた印象の中にセンスのよさを感じさせる仕上がりになっています。
さらに、玄関ポーチの壁や天井には、表面を焼き焦がした焼杉を用いています。耐火性や耐久性、防虫性能の高い焼杉は、古くから住宅の外壁に使われてきたもの。効果的に使えばモダンな現代の住宅にもマッチする素材であり、こちらの新居でも独特の味わいが外観デザインのアクセントとなっています。
リビングは杉の無垢材を随所に活用
清々しい香りが漂い、断熱性や調湿性の高い「杉」。新居では、長年にわたって日本の家づくりを支えてきたこの自然素材をふんだんに活用しています。例えば、リビングダイニングの床材には、表面を何度もこすり、木目に凹凸をつけたうづくり杉を採用。歩くと感じる木のやさしい感触が心地よい空間です。
ほかにも、リビングのテレビ台や飾床に用いた無垢1枚ものも存在感を放っており、天井の羽目板、ダイニングにしつらえたストリップ階段の踏板や造作カウンターにも杉が使われています。木の温もりに包まれた広々とした住まいの中心で、笑顔にあふれるご家族の思い出がこれからいくつもつくられていくことでしょう。
高低差で生まれる空間の広がり
新居には設計のアイデアもあふれています。玄関ホールは天井をあえて抑え、リビングに入った時の高低差で空間を広く見せる工夫を施しています。
また、1階に家族4人分の洋服などをしまうことのできるファミリークローゼットを用意。2階には小屋裏を造り、小さなお子さんの成長に合わせて物が増えても収納できる十分なスペースを確保しています。
入居した時だけでなく、10年、20年先の暮らしやすさを見据えた設計に知恵を絞っており、住むほどに愛着の増していく住まいとなっています。